日本では毎年クリスマス時期になるとローストチキンやフライドチキンなどが食卓を彩りますが、その反面、七面鳥を食べるといった風習はアメリカや欧米諸国と比べると風習として根付いていないように感じられます。
ですがその一方で、「クリスマスに七面鳥を食べる」というイメージが強くあるのは、海外の映画やドラマの影響等が大きいのかもしれませんね。
そこでこの記事では、「クリスマスに七面鳥がなぜ食べられているのか?」についてや、日本ではあまり馴染みが少ない理由について調べた事をまとめさせてもらいました。
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七面鳥はどんな鳥?
七面鳥(しちめんちょう)は鳥類の一種であり、日本では主にトルコの七面鳥(Meleagris gallopavo)を指します。
北アメリカが原産となる七面鳥は、その名前の由来は鮮やかな羽毛の模様から付けられました。
鳥類の中でも比較的大型の部類で、雄の成鳥は全体的に黒い羽毛で、胸部には鮮やかな金属的な光沢があります。
体長は1メートル前後、体重は5キログラムから10キログラム程度となっており、雄は雌よりも大きく、羽毛もより鮮やかです。
頭部には赤い肉垂れがあり、首には長い赤い肉垂れがたるんでいることが特徴です。
雌の成鳥は全体的に褐色で、羽毛の模様は地味な色味となっています。
七面鳥は、ネイティブアメリカンの食料として古くから利用されてきました。
16世紀にスペイン、イギリスなどのヨーロッパに渡来した後、食用として広く飼育されるようになりました。
七面鳥はネイティブアメリカンの文化にも重要な役割を果たしており、神話や伝説にも登場します。
ネイティブアメリカンは七面鳥を狩猟し、その肉や羽毛を衣服や装飾品に使用してきました。
日本で「七面鳥」と呼ばれている理由について
七面鳥の名前の由来は複数の説があります。
一つは首のところに露出している皮膚が、興奮する事で赤、青、紫などに変化し、七つの顔(面)を持つ様に見えることに由来するとされています。
また、別の説によると、七面鳥はネイティブアメリカンの伝説に登場する鳥「モヒカン族」に似ているため、この名前がつけられたとも言われています。
他にも、七面鳥は羽毛の模様が複雑で多様であることから、「七つの顔を持つ鳥」と解釈され、「七面鳥」と呼ばれるようになったという説もあるようです。
このように、明確な名前の由来はわかっておらず、推測でしかありませんが、地域や言語によっても呼び方が異なることがあります。
ペットとしても飼われている七面鳥
七面鳥は食材としてのイメージが強く持たれていますが、ごく稀にペットして飼う家庭もあるようです。
ニワトリやインコなどと比べると比較的大型の鳥ではありますが、温厚で賢い性格をしている為、ペットとして飼育しやすい鳥でもあります。
七面鳥の寿命は野生では5年ほどとなっておりますが、飼育下では10年ほど生きるなど、犬や猫などと同じくらい長生きする事もあるようです。
また、七面鳥は比較的大型の鳥でもある為、飼育する上で十分なスペースが確保されている必要もあります。
他にも騒音に敏感であったり、日々の体調の変化にも気を配る必要があるなど、ペット・家族として迎え入れる上で注意をすべき点も多々あります。
それらを考慮し覚悟をした上で、適切に育てていく必要があると言えるでしょう。
七面鳥は国によって呼ばれ方が違うのはなぜ?
七面鳥は北アメリカ原産ですが、その分布範囲を超えて世界中に広まりました。
各地域では、現地の言語や文化に基づいて独自の呼び名が生まれたり、既存の動物の名称を使ったりすることがあります。
また、七面鳥の名前に関しては、トルコとの関連性から「トルコの七面鳥」という呼び名が広まったと考えられています。
これは、16世紀にヨーロッパに紹介された際に、イギリス人がオスマン帝国(トルコ)との交易ルートを通ってやってきたという経緯によるものです。
その後、七面鳥はヨーロッパや他の地域で広く飼育され、食材として使われるようになりましたが、各国や地域で異なる呼び名が使われることとなりました。
食材としての七面鳥の特徴
七面鳥の肉は、タンパク質が豊富で、脂肪分が少ないのが特徴です。
また、ビタミンやミネラルも豊富に含まれています。
七面鳥の肉は、クリスマスや感謝祭などの特別な日に食べられることが多いです。
また、ハムやソーセージなどの加工品としてもよく作られます。
七面鳥がクリスマスに食べられるのはなぜ?
七面鳥がクリスマスに食べられるようになったのは、1621年にアメリカで行われた感謝祭がきっかけとなっています。
この感謝祭では、ピルグリム(イギリスからアメリカに渡ってきた移民)たちが、ネイティブアメリカンと共に七面鳥を食べる事で、豊作に感謝しました。
この感謝祭がきっかけとなり、後に七面鳥はクリスマスだけに留まらず、感謝祭があるたびに振る舞われる事となりました。
また、七面鳥は大きな鳥なので、家族や友人とクリスマスを祝う際に、みんなで食べることができるというメリットがあります。
七面鳥の肉はタンパク質が豊富かつ脂肪分が少ないので、健康的な食事としてもおすすめです。
現在ではアメリカだけでなく、世界中の多くの国で、クリスマスに七面鳥が食べられています。
七面鳥は、クリスマスの食卓を華やかに彩る料理として、今日でも親しまれています。
日本で七面鳥があまり馴染みが無いのはなぜ?
一方で日本人にとっては、クリスマスに七面鳥を食べる風習は海外と比べると根付いていないように思えます。
その理由として挙げられる事は以下のような事が挙げられます。
- クリスマスは宗教的な行事ではなく、イベント事して捉えられている為
- 七面鳥よりもケーキの方がシンボルとなっている為
- 日本での生産が限られている為、市場にあまり出回らず高価な食材である為
日本では七面鳥よりも鶏肉を使って調理される事が多く、一般的にはローストチキンやフライドチキンなどが普及しています。
こちらの記事でも書きましたが、1960年代にケンタッキーフライドチキンによるキャンペーンが大成功に収まった事をきっかけに、日本ではクリスマスの日にはチキンを食べるといった風習が根付きました。
とはいえ、国際交流が盛んになった現代においては、一部の高級レストランや特定の食材販売店等で七面鳥が取り扱われている事もあり、クリスマスに七面鳥を食べる家庭も増えてきているようです。
食文化の多様化により、今後は日本でもクリスマスに七面鳥の料理が並ぶようになるかもしれませんね。
まとめ
「七面鳥がクリスマスになぜ食べられるのか?」についてまとめさせてもらいました。
クリスマスに七面鳥を食べるといったイメージがある反面、日本ではどちらかと言えばマイナーな食材だったりもします。
今後は日本の食卓でも七面鳥が並ぶ事もあるかもしれませんが、その後日本独自の文化として変化していく事になるかもしれませんね。