大切な人を亡くした遺族に、心からの弔意を伝える「お悔やみの手紙」。しかし、「どんな言葉を選べばよいのか」「書き方にマナーはあるのか」と悩む方も多いのではないでしょうか?
本記事では、 お悔やみの手紙の基本ルール、相手別の例文、宗教ごとの違い、書く際の注意点 まで詳しく解説します。適切な言葉を選び、気持ちが伝わるお悔やみの手紙を書けるようになりましょう。
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お悔やみの手紙の基本ルール
適切な用紙や封筒の選び方
お悔やみの手紙を書く際には、用紙や封筒にも気を配ることが大切です。白無地の便箋を使用するのが一般的で、罫線入りの便箋よりも無地のほうがフォーマルとされています。紙質は上質紙や和紙など、落ち着いた雰囲気のものを選ぶとよいでしょう。
封筒は白い二重封筒を使用するのがマナーです。二重封筒は「不幸が重なる」ことを連想させるため避けるべきという考え方もありますが、お悔やみの手紙では一般的に用いられます。もし気になる場合は、白い無地の一重封筒を選ぶとよいでしょう。封筒の表書きには、薄墨のペンで「○○様(宛名)」と記入し、裏には自分の名前と住所を書きます。
筆記具は、万年筆や筆ペン、または薄墨のボールペンが適しています。薄墨で書くのは「涙で墨が薄まった」という意味を持ち、悲しみを表すとされています。ただし、弔電やメールでのやり取りが増えている現代では、黒インクのボールペンでも失礼にはなりません。
また、郵送する場合は、郵便番号や住所を間違えないように丁寧に記入し、封筒の中に便箋を折りたたんで入れる際には、横三つ折りや縦三つ折りが一般的です。折り方に特別な決まりはありませんが、便箋の端が上を向くように折ると「不幸を受け入れる」意味があるとも言われています。
忌み言葉に注意!使ってはいけない言葉一覧
お悔やみの手紙では「忌み言葉」と呼ばれる、不幸を繰り返すことを連想させる言葉を避ける必要があります。代表的な忌み言葉には以下のようなものがあります。
忌み言葉 | 避けるべき理由 | 代替表現 |
---|---|---|
重ね重ね | 不幸が続くことを連想させる | 心より |
繰り返し | 同じく不幸が繰り返されるイメージ | 何度も |
追って | さらに不幸が続く印象を与える | 後日 |
再び | また不幸があることを示唆する | このたび |
亡くなる | 直接的すぎる表現 | ご逝去・ご永眠 |
また、「死」「急死」「生きているうちに」などの直接的な表現も避け、「ご逝去」「お亡くなりになる」といった柔らかい表現を用いるのが望ましいです。
加えて、「がんばって」「元気を出して」などの励ましの言葉も避けるのが無難です。悲しみに暮れている遺族に対し、プレッシャーを与える可能性があるため、「お身体を大切になさってください」といった言葉のほうが適切です。
ビジネス・親しい人向けで異なる文面のポイント
お悔やみの手紙は、相手との関係性によって文面を変える必要があります。
ビジネス関係者向け
ビジネスの場では、礼儀正しく簡潔な文面が求められます。感情をあまり強く出さず、フォーマルな言葉遣いを意識しましょう。
例文:
コピーする編集する謹んでお悔やみ申し上げます。
○○様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
生前のご厚情に深く感謝するとともに、ご冥福をお祈りいたします。
親しい人向け
親しい友人や家族に送る場合は、形式にこだわりすぎず、温かみのある言葉を添えるとよいでしょう。
例文:
コピーする編集する突然の訃報に接し、ただ驚いております。
○○さんはとても素敵な方でした。たくさんの思い出を大切にしながら、心よりご冥福をお祈りします。
手紙を書く際の筆記具と書き方のコツ
お悔やみの手紙は、黒または薄墨のインクを使用し、毛筆や万年筆で書くのが望ましいですが、現代ではボールペンでも問題ありません。薄墨を使うのは悲しみを表すためですが、にじんで読みにくくなる場合は通常の黒インクでも失礼にはなりません。
手紙の書き方は、以下のポイントを押さえるとスムーズに書けます。
- 冒頭に哀悼の意を述べる
- 「このたびのご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。」
- 故人の生前の様子や思い出を述べる(親しい場合)
- 「○○様には大変お世話になり、深く感謝しております。」
- 遺族への気遣いを伝える
- 「ご家族の皆様もどうかお身体を大切になさってください。」
- 結びの言葉で締める
- 「謹んでご冥福をお祈り申し上げます。」
文字は丁寧に書き、句読点は使わないのが伝統的なマナーですが、現代では可読性を重視し、使用しても問題ないとされています。
送るタイミングと避けるべき時期
お悔やみの手紙は、訃報を受けたらできるだけ早く送るのがマナーです。葬儀の前後に送るのが一般的ですが、遅れてしまった場合でも「遅ればせながら」と添えて送るとよいでしょう。
避けるべき時期としては、四十九日を過ぎてからは控えるのが一般的です。この時期を過ぎた場合は、手紙ではなく「御仏前」などの供物を贈る形が適しています。
また、年賀状の時期にお悔やみの手紙を送るのは避けましょう。年賀欠礼の挨拶が来た場合には、寒中見舞いとしてお悔やみを伝えるのが適切です。
相手別のお悔やみの手紙例文集
友人・知人へ送るシンプルなお悔やみ文例
友人や知人に宛てたお悔やみの手紙は、形式にとらわれすぎず、心のこもったシンプルな文面が適しています。長々と書くよりも、故人を偲びつつ、遺族への気遣いを伝えることが大切です。
例文1:一般的なお悔やみの手紙
○○様のご逝去の報に接し、深い悲しみに包まれております。
お元気な頃のお姿を思い出すたび、信じられない思いでいっぱいです。
心よりご冥福をお祈り申し上げるとともに、ご遺族の皆様のご健康を願っております。
例文2:親しい友人へ送る手紙
突然の訃報に接し、言葉を失っております。
○○さんは、いつも明るく、周囲の人を温かく包み込むような存在でした。
あの優しい笑顔をもう見ることができないと思うと、寂しくてなりません。
今はただ、ご冥福をお祈りするばかりです。
友人向けの手紙では、形式張った表現よりも、故人の思い出を添えることで、温かみのあるメッセージになります。ただし、あまりに感情的になりすぎるのも避け、遺族の悲しみに寄り添うことを意識しましょう。
会社関係者・取引先へ送るフォーマルな例文
ビジネスの場でお悔やみの手紙を送る場合は、敬意を込めつつ簡潔にまとめることが重要です。個人的な感情を強く出すよりも、礼儀正しく、遺族への配慮を忘れないようにします。
例文1:取引先へのお悔やみの手紙
謹んでお悔やみ申し上げます。
○○様のご逝去の報に接し、驚きとともに深い悲しみを感じております。
生前は、格別のご高配を賜り、誠にありがとうございました。
心よりご冥福をお祈り申し上げますとともに、ご遺族の皆様のご健康をお祈り申し上げます。
例文2:上司や同僚へのお悔やみの手紙
○○様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
これまでのご指導とご厚情に深く感謝し、改めてそのご功績を偲ぶばかりです。
ご遺族の皆様には、どうかご自愛くださいますようお願い申し上げます。
ビジネス関係者への手紙では、「重ね重ね」「繰り返し」などの忌み言葉を避け、簡潔でありながらも敬意のこもった表現を心がけます。
親しい家族や親族向けの心のこもった例文
家族や親族へのお悔やみの手紙では、一般的な弔辞表現よりも、個人的な思い出や温かい言葉を添えるとよいでしょう。
例文1:親族へのお悔やみの手紙
○○様のご逝去の報を受け、大変驚いております。
幼い頃からたくさんお世話になり、優しく接してくださったことを思い出します。
あの笑顔と温かいお言葉が、今でも心に残っています。
どうか安らかにお眠りください。
例文2:親しい家族への手紙
○○さんが旅立たれたことが、まだ信じられません。
これまでたくさんの思い出を一緒に作ってきたことが、昨日のことのように思い出されます。
お別れは寂しいですが、これからも○○さんのことを大切に想い続けます。
どうか安らかにお休みください。
家族や親族への手紙では、形式ばらず、気持ちが伝わるような文面を意識しましょう。ただし、過度に悲しみを強調しすぎると遺族の負担になることもあるので、配慮が必要です。
遠方に住む相手へ送る場合の書き方
遠方に住んでいて直接弔問に行けない場合、お悔やみの手紙を送ることが礼儀です。訪問できないことを詫びつつ、故人を偲ぶ気持ちを伝えます。
例文1:遠方からのお悔やみの手紙
○○様のご逝去の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
本来ならばすぐにお伺いすべきところ、遠方のため叶わず、大変申し訳ございません。
遠くからではございますが、ご冥福を心よりお祈り申し上げます。
例文2:後日訪問を約束する場合
突然の訃報に接し、言葉もありません。
本来ならばすぐに駆けつけたいところですが、遠方のため叶わず、大変申し訳なく思います。
後日、お伺いさせていただければと考えております。
ご遺族の皆様も、どうかお身体を大切になさってください。
遠方からの手紙では、訪問できないことに一言添えつつ、心からの弔意を伝えるのがポイントです。
お悔やみの手紙に添える香典のマナー
お悔やみの手紙に香典を添える場合、以下のマナーを守ることが大切です。
香典を送る際のポイント
- 香典袋:白無地または蓮の花が描かれた香典袋を使用
- 表書き:「御霊前」「御仏前」「御香典」など、宗教に応じて記載
- 金額:関係性によって異なるが、一般的に5,000円~1万円程度
- 包み方:現金を新札ではなく、折り目をつけて包むのがマナー
手紙に添える一文
ささやかではございますが、御霊前にお供えください。
ご家族の皆様にとって、少しでもお力になれれば幸いです。
香典を送る際は、現金書留を利用し、手紙と一緒に送るのが一般的です。遺族が受け取る際の負担にならないよう、簡潔な文面で送ることを心がけましょう。
宗教・宗派ごとのお悔やみの手紙の違い
仏教の弔辞に適した表現と注意点
日本で最も一般的なお悔やみの表現は仏教に基づいたものです。仏教では「死」は「成仏」や「往生」と考えられ、故人の魂が極楽浄土へと旅立つことを願うのが基本的な考え方です。そのため、仏教式のお悔やみの手紙では、次のような表現を用いるのが適切です。
仏教のお悔やみの表現
- 「ご冥福をお祈りいたします」
- 「謹んでご冥福をお祈り申し上げます」
- 「心より哀悼の意を表します」
仏教の宗派によっては「冥福を祈る」という表現が適さない場合もあります。例えば、浄土真宗では「冥福」という言葉を使いません。なぜなら、浄土真宗では亡くなった方はすぐに極楽浄土へ行くと考えられており、「冥福を祈る=成仏を願う」という概念がないからです。そのため、浄土真宗の方にお悔やみの手紙を送る際には、次のような表現を用いるとよいでしょう。
浄土真宗向けのお悔やみ表現
- 「哀悼の意を表します」
- 「安らかなる旅立ちをお祈り申し上げます」
- 「謹んでお悔やみ申し上げます」
仏教の弔辞では、「成仏」「往生」「安らかに」などの言葉を用いることが多く、「天国」「昇天」などのキリスト教的な表現は避けるのがマナーです。
神道では?「御霊前」と「御玉串料」の違い
神道では「死」は「穢れ」と考えられ、仏教とは異なる弔意の表現が使われます。神道では故人の魂は「祖霊」となり、家を守る存在になると考えられています。そのため、お悔やみの手紙でも神道ならではの言葉を使うことが大切です。
神道のお悔やみの表現
- 「謹んでご遷霊の報に接し、衷心より哀悼の意を表します」
- 「安らかに鎮まり、末永くお見守りくださいますようお祈り申し上げます」
- 「御霊(みたま)の平安をお祈り申し上げます」
また、香典の表書きも仏教とは異なります。一般的な仏教の香典袋には「御霊前」「御仏前」と書かれますが、神道では次のような表書きを使います。
用語 | 意味 | 使う場面 |
---|---|---|
御霊前(ごれいぜん) | 故人の霊を慰めるための供物 | 通夜・葬儀 |
御玉串料(おたまぐしりょう) | 玉串(榊の枝)に代えて捧げる供物 | 神式の葬儀・法要 |
御榊料(おさかきりょう) | 榊を供える代わりの金銭 | 祖霊祭(仏教の法要に相当) |
神道のお悔やみでは「成仏」「供養」などの仏教用語を使わないことが重要です。「天国へ行く」といったキリスト教的な表現も避けるようにしましょう。
キリスト教の弔意表現と避けるべき言葉
キリスト教では「死」は「神のもとへ召されること」と考えられています。そのため、仏教や神道とは異なり、「冥福を祈る」「供養する」といった表現は適しません。
キリスト教のお悔やみの表現
- 「○○様のご永眠の報に接し、心よりお悔やみ申し上げます」
- 「○○様が神の御許で安らかに憩われますよう、お祈り申し上げます」
- 「主の御許(みもと)に召されましたこと、謹んでお悔やみ申し上げます」
キリスト教の葬儀では、宗派によって使う言葉が異なります。
宗派 | 適した表現 | 避けるべき言葉 |
---|---|---|
カトリック | 「安らかに憩われますよう」 | 「冥福」「供養」 |
プロテスタント | 「天国で安らかに」 | 「成仏」「御霊前」 |
また、香典の表書きも仏教や神道とは異なります。キリスト教では「御霊前」や「御仏前」は使用せず、次のような表書きを使います。
- カトリック:「御ミサ料」「御花料」
- プロテスタント:「忌慰料(きいりょう)」「御花料」
キリスト教のお悔やみの手紙では、宗教観を尊重し、「天国」「永眠」などのキリスト教的な表現を使うことが大切です。
無宗教の相手に送る場合の配慮ポイント
最近では、宗教にこだわらない無宗教の葬儀を行う家庭も増えています。無宗教の場合、特定の宗教に基づいた表現は避け、シンプルな弔意を示すのがよいでしょう。
無宗教のお悔やみの表現
- 「○○様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます」
- 「○○様のご冥福をお祈り申し上げます」
- 「心よりお悔やみ申し上げます」
香典の表書きについても、無宗教の場合は「御香典」「御霊前」を避け、「お花代」や「御供物料」とするのが適切です。
宗教が分からない場合の無難な表現集
故人や遺族の宗教が分からない場合は、特定の宗教に偏らない表現を使うのが無難です。
無難なお悔やみ表現
- 「謹んでお悔やみ申し上げます」
- 「心より哀悼の意を表します」
- 「○○様の安らかなお眠りをお祈りいたします」
また、香典の表書きも「御香典」「御供物料」などの宗教に依存しない表現を選ぶと、失礼になりません。
お悔やみの手紙を書く際は、相手の宗教に合わせた適切な言葉を選ぶことが大切です。宗教が不明な場合は、シンプルな表現を心がけるとよいでしょう。
お悔やみの手紙を書く際の注意点とNG例
書いてはいけない忌み言葉と理由
お悔やみの手紙では、「忌み言葉(いみことば)」と呼ばれる、不幸を繰り返すことを連想させる言葉を避ける必要があります。これらの言葉を使うと、遺族にとってさらに悲しみを深める可能性があるため、慎重に選ぶことが大切です。
避けるべき忌み言葉の例
忌み言葉 | 避ける理由 | 代わりの表現 |
---|---|---|
重ね重ね | 不幸が続くことを連想させる | 心より |
繰り返し | 不幸が繰り返される印象を与える | 何度も |
追って | さらに不幸が続くイメージを持つ | 後日 |
再び | 再度の不幸を暗示する | このたび |
死ぬ・死亡 | 直接的で冷たい印象を与える | ご逝去・ご永眠 |
また、「長生きする」「元気を出して」などの言葉も避けるべきです。遺族にとっては、励ましよりもそっと寄り添う言葉のほうが心に響きます。
適切な表現例
- 「このたびは誠に残念なことでございました。」
- 「謹んでお悔やみ申し上げます。」
- 「○○様のご冥福を心よりお祈り申し上げます。」
形式的すぎると失礼?気をつけるべきポイント
お悔やみの手紙は、形式的な表現だけでなく、故人への思いを込めることが大切です。特に、親しい間柄の人に送る場合、定型文だけでは冷たく感じられることがあります。
避けるべき文例(形式的すぎる例)
○○様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
ご遺族の皆様には、ご自愛くださいますようお願い申し上げます。
このような文章では、気持ちが伝わりにくくなります。
適切な文例(心を込めた表現)
突然のご訃報に接し、大変驚いております。
○○様には生前、たくさんのご厚意をいただき、感謝の気持ちでいっぱいです。
安らかにお眠りくださいますよう、心よりお祈り申し上げます。
このように、故人への感謝の気持ちや思い出を添えると、より心のこもった手紙になります。
長すぎる手紙はNG?適切な文量とは
お悔やみの手紙は、短すぎても冷たい印象を与えますが、長すぎると遺族の負担になってしまいます。適切な文量は、便箋1枚程度(200~300文字程度)が目安です。
適切な構成
- 冒頭の挨拶(お悔やみの言葉)
- 故人への想い(生前の思い出や感謝)
- 遺族への気遣い(体調を気遣う言葉)
- 結びの言葉(ご冥福を祈る言葉)
NG例(長すぎる手紙)
このたびの○○様のご逝去の報に接し、驚きを隠せません。
私が○○様と初めてお会いしたのは○年前のことで、当時は~~(思い出話が延々と続く)。
本当に素晴らしいお方でした。心より尊敬しておりました。(さらに長文が続く)
このように長すぎる手紙は、遺族に負担をかけるため避けましょう。
突然の訃報に対応する緊急のお悔やみ例文
突然の訃報を受けた場合、すぐにお悔やみを伝える必要がありますが、焦って適切でない言葉を使わないよう注意が必要です。
例文1:電話やメールでの簡単な弔意表現
突然のご訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
ご遺族の皆様のご健康をお祈り申し上げます。
これは、電話やメールで簡単に伝える場合に適しています。
例文2:急いで手紙を送る場合
突然の訃報に驚き、言葉もありません。
○○様には生前大変お世話になり、感謝の気持ちでいっぱいです。
遠方のためお伺いできず申し訳ございませんが、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
このように、短くても気持ちが伝わる文面にするとよいでしょう。
メールやLINEで済ませるのはアリか?
最近では、メールやLINEでお悔やみの言葉を伝えることも増えてきました。しかし、正式な場では手紙を送るのが基本的なマナーです。
メール・LINEが許容されるケース
- 遠方で手紙を送る時間がない場合
- ビジネス関係で簡単に伝える必要がある場合
- 親しい友人や同僚にすぐに伝える場合
メールでのお悔やみ例文
件名:謹んでお悔やみ申し上げます
○○様
突然のご訃報に接し、心よりお悔やみ申し上げます。
ご遺族の皆様のご健康をお祈り申し上げます。
○○(自分の名前)
メールの場合、簡潔にまとめることが大切です。
LINEでのお悔やみメッセージ(親しい友人向け)
突然の訃報に驚いています。
心よりお悔やみ申し上げます。
何かできることがあれば、遠慮なく言ってくださいね。
LINEでは、フォーマルな言葉よりも、遺族の気持ちに寄り添う言葉を意識しましょう。
しかし、ビジネス関係や目上の人には、メールやLINEだけで済ませるのは避けるべきです。正式なお悔やみは、手紙や弔電を送るのが基本です。
お悔やみの手紙は、遺族への思いやりを込めながら、簡潔にまとめることが大切です。適切な言葉を選び、相手に寄り添う心遣いを忘れないようにしましょう。
お悔やみの手紙に関するよくある質問Q&A
亡くなった方に面識がない場合の手紙の書き方
故人と面識がない場合でも、遺族との関係がある場合はお悔やみの手紙を送るのがマナーです。この場合、故人の思い出を語ることはできませんので、遺族への気遣いを中心にした文章を心がけましょう。
例文1:取引先のご家族への手紙
○○様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
直接お目にかかる機会はございませんでしたが、○○様のお人柄やご活躍については、かねてより伺っておりました。
ご遺族の皆様におかれましては、さぞご心痛のことと存じますが、どうかお身体を大切になさってください。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
例文2:知人の親族が亡くなった場合
このたびはご家族のご逝去の報を受け、大変驚いております。
お会いする機会はありませんでしたが、○○様のお話をたびたび伺い、温かいお人柄を感じておりました。
ご遺族の皆様のご健康をお祈り申し上げるとともに、心よりお悔やみ申し上げます。
直接の関係がなくても、「お話を伺っていた」という表現を使うことで、より丁寧で心のこもった手紙になります。
どんな用紙・封筒を選べばよい?色やサイズのマナー
お悔やみの手紙には、一般的に 白無地の便箋 と 白封筒 を使用するのが基本です。派手なデザインやカラフルな便箋・封筒は避け、落ち着いたものを選びましょう。
項目 | 適したもの | 避けるべきもの |
---|---|---|
便箋 | 白無地・罫線なし・和紙 | カラフルなデザイン・キャラクター入り |
封筒 | 白無地・二重封筒(格式高い) | 黒封筒・派手な模様 |
筆記具 | 薄墨の筆ペン・黒インクの万年筆 | 赤や青のインク・鉛筆 |
封筒は 二重封筒 を使うのが一般的ですが、「不幸が重なる」ことを連想させるとして一重封筒を使う場合もあります。特に気にする方がいる場合は、一重の封筒を選ぶとよいでしょう。
また、封筒の表には「○○様(宛名)」を、裏面には自分の名前と住所を記入します。薄墨の筆ペンを使うのが理想ですが、黒のボールペンでも問題ありません。
香典を同封するのはOK?その際の手紙の文例
お悔やみの手紙と一緒に香典を送ることは可能ですが、 必ず現金書留を使う のがマナーです。通常の封筒では現金を送ることができないため、注意が必要です。
香典を同封する際の例文
このたびは○○様のご逝去の報に接し、謹んでお悔やみ申し上げます。
本来であれば直接お伺いすべきところ、遠方のため叶わず、書中にて失礼いたします。
心ばかりではございますが、御霊前にお供えいただければ幸いです。
どうかお身体を大切になさってください。
手紙の最後に「香典を送ること」に触れ、「ささやかですがお供えください」という表現を添えると丁寧です。
お悔やみの手紙を受け取った際のお礼状の書き方
お悔やみの手紙を受け取った場合、遺族側はお礼の手紙を送るのが一般的ですが、必ずしも必要ではありません。
お礼状の例文(一般的な場合)
拝啓
このたびは、○○の逝去に際し、ご丁寧なお悔やみをいただき、誠にありがとうございました。
お心遣いに深く感謝申し上げます。
まだ気持ちの整理がつかない日々ではございますが、お言葉を励みに過ごしてまいります。
略儀ながら、書中にてお礼申し上げます。
敬具
手紙の構成としては、 ①感謝の言葉 → ②遺族の現状 → ③結びの言葉 という流れが自然です。
香典を受け取った場合は、「お心遣いをいただき、誠にありがとうございました」という一文を加えるとよいでしょう。
遅れてしまった場合でも送るべき?遅れた際の例文
お悔やみの手紙は、 できるだけ早く送る のが理想ですが、遅れた場合でも送ることは可能です。その際には「遅ればせながら」という表現を入れるとよいでしょう。
遅れた場合のお悔やみ例文
○○様のご逝去の報を遅れて知り、驚いております。
遅ればせながら、心よりお悔やみ申し上げます。
生前のご厚誼に感謝し、謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
四十九日を過ぎた場合は?
四十九日を過ぎてしまった場合は、お悔やみの手紙よりも、 「御仏前」や「お花」を送る ほうが適切です。その際には、次のような手紙を添えるとよいでしょう。
○○様のご逝去を後日知り、大変驚いております。
遅ればせながら、心よりお悔やみ申し上げます。
ささやかではございますが、御仏前にお供えいただければ幸いです。
遅れた場合でも、誠意をもって伝えることで、失礼にはなりません。ただし、一周忌を過ぎてしまった場合は、手紙ではなく 命日やお盆にお花を贈る などの方法を取るとよいでしょう。
お悔やみの手紙は、相手の気持ちに寄り添い、適切な表現を使うことが大切です。遅れても丁寧に伝えれば、誠意はしっかり伝わります。
まとめ
お悔やみの手紙は、遺族の気持ちに寄り添い、適切な言葉を選んで書くことが何よりも大切です。今回の記事では、お悔やみの手紙の基本ルールや、宗教・関係性ごとの例文、書く際の注意点などを詳しく解説しました。
お悔やみの手紙を書く際のポイント
- 用紙・封筒の選び方:白無地の便箋と封筒を使用し、筆記具は薄墨または黒インクを選ぶ
- 忌み言葉の回避:「重ね重ね」「再び」「死亡」など不幸を連想させる言葉は使わない
- 文量の調整:長すぎると遺族の負担になるため、便箋1枚(200~300文字程度)が理想
- 関係性に応じた文面:ビジネス・親族・友人それぞれに適した表現を選ぶ
- 宗教に配慮する:仏教・神道・キリスト教・無宗教それぞれの適切な表現を使用する
また、香典を同封する場合は現金書留を使用し、送るタイミングにも注意が必要です。遅れてしまった場合でも、誠意をもって伝えることで気持ちは十分に届きます。
お悔やみの手紙は、形式よりも心のこもった言葉が大切です。遺族の気持ちを思いやりながら、適切な言葉を選んで丁寧に書くことを心がけましょう。