特徴的な大きな角を持つトナカイは、クリスマス時にサンタクロースの乗り物として知られる存在です。「トナカイ」という言葉は、アイヌ語の由来を持ち、元々は北部地域の言語に起源があると考えられています。
このトナカイの角は、抜け落ちてから再び生えてくるものですが、一体どのような役割を果たすのでしょうか?
この記事では、
・トナカイの角が生え変わる背景やその目的
・お守りとしての効果
に関して触れていきたいと思います。
【スポンサーリンク】
トナカイの角について
多くのシカの仲間には、ニホンジカやヘラジカなど、多様な種類が存在します。そして、角を持つのは大抵の場合オスのみで、メスには見られません。
しかし、角は通常「力の証」として認識されることが多いのですが、トナカイの場合、メスもオスと同じく美しい角を有しています。
トナカイの角がクリスマスの時期に抜けるのはなぜ?
オスのトナカイは、12月の冬季には角が抜け落ち、そして3月の初春頃には新しい角が生えてきます。
対照的に、メスは春から夏にかけての期間で角が生え変わるのですが、オスとは異なるタイミングでこれが行われる点が実に興味深いです。
トナカイの角は一生涯に一度だけ生えるわけではなく、年に一度のペースで再生されているのです。
その背景として考えられるのは、
・メスを巡るオス同士の闘争において、角が必要とされること。
・雪で覆われた地面から食料を探す際に、角を利用して掘り返す必要があるから。
といった理由が挙げられます。
角が破損して再利用できなくなると、他のオスとの競争に勝てなくなり、また冬の食料を探し出すことも困難になります。
このような状況を避けるために、トナカイの角は年ごとにしっかりと更新されるのです。
角の意味とオスとメスの識別方法
トナカイの社会において、角は地位や力の象徴としてみなされます。
大きな角を持っていると、それだけ力強さや優越性が伝わり、縄張りの主張や食糧の取得に役立つ為でもあります。
オスとメスで角が生えるタイミングが異なるのは、冬の季節にメスが充分な栄養を摂取し、子どもの世話を適切に行えるよう配慮されているためです。
一方で冬にはオスの角が落ちてしまうので、メスが食料を確保しやすくなっています。もしオスにも食糧が取られてしまうと、子育てが難しくなるでしょう。
そのため、冬に角を持っているトナカイは、ほとんどがメスである可能性が高いです。それを考慮すると、クリスマスにサンタのそりを牽引しているトナカイは、メスである可能性が考えられます。
また、トナカイの角にはお守りとしての意味もあり、長い間人々の間で重宝されてきたものでもあります。
幸福を運ぶ伝説とその背景
ヨーロッパの北部に位置するラップランドは、ロシア、フィンランド、ノルウェー、スウェーデンの国々に広がっており、そこにはサーミ人という少数の民族が住んでいます。
サーミ人の文化の中で、トナカイの角は幸運のシンボルとして古くから尊ばれています。日常のアクセサリーや装身具として、身近に持つ習慣が根付いているようです。
そのため、トナカイの角を使ったアイテムはギフトとしても非常に人気があり、角のアイテムを手に入れると幸せが訪れるという伝承があるのだと言われています。
厳しい環境で生き抜くトナカイが、クリスマスの際にはサンタクロースの手伝いをしてプレゼントを配っていることを考えると、彼らからの幸福の訪れが不思議ではないかもしれません。
もし、偶然にも落ちたトナカイの角を見つけたなら、それは非常に運が良い兆しと言えるでしょう。
日本のトナカイを観察できる場所について
日本でもトナカイを観察できる動物園や施設が点在しています。寒冷地に生息するトナカイは、北部の地域でよく見かけますが、首都圏でも楽しむことができます。
北海道
・釧路動物園
・ほろのべ トナカイ体験牧場
秋田県
・大森山動物園
千葉県
・千葉市動物公園
東京
・多摩動物公園
多摩の動物公園では、クリスマス期間中にトナカイとの交流イベントが数多く開催されるので、訪れる価値があります。
まとめ
今回は「トナカイの角がクリスマスの時期に抜けるのはなぜか?」について、その背景を含めてまとめました。
トナカイの角が落ちる背景やその機能、さらにはお守りとしての価値や伝承に関して触れてきました。
オスが角を闘争の際に使用することは知られていますが、冬場の食物探しにも利用するとは、新たな発見でもありました。これは生きる上で賢いと思わされます。
また、角の生え変わりのパターンからトナカイがオスかメスかを判別する方法もお伝えしました。今後トナカイを見かけた際には、この情報を思い出してオスかメスかの識別をしてみてください。