「季語」って何?俳句にはなぜ必要なの?
俳句を作るときに欠かせない「季語」。ですが、具体的にどんな言葉が季語なのか、どのように使えばいいのか、疑問に思う人も多いでしょう。
この記事では、俳句における季語の役割や、春・夏・秋・冬・新年の代表的な季語、初心者向けの俳句の作り方、有名俳人の季語の使い方などを詳しく解説します。さらに、俳句を楽しむための方法や、季語を学ぶためのおすすめの本やアプリも紹介!
俳句に興味がある方、これから始めてみたい方は、ぜひ参考にしてくださいね。
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季語とは?俳句における役割と基本知識
季語の定義と俳句における重要性
俳句とは、五・七・五の十七音で詠まれる日本独自の詩の形式です。その特徴の一つが「季語」を入れることです。季語とは、特定の季節を象徴する言葉のことで、俳句に季節感を与える大切な役割を持ちます。例えば、「桜」といえば春、「雪」といえば冬を連想するように、季語は読者に季節の情景を瞬時に伝える力を持っています。
俳句において季語を用いることは、単なるルールではなく、詩としての豊かさを生む重要な要素です。たった十七音の中で、季節を表現し、情景を描き、読者の想像力をかき立てるのに、季語は欠かせません。
また、季語があることで、俳句は単なる言葉の並びではなく、歴史や文化と深く結びついた文学作品としての価値を持ちます。例えば「春雨や蓬をのばす草の道」(与謝蕪村)では、「春雨」が春の季語となり、しっとりとした春の景色を感じさせます。このように、季語があることで俳句はより味わい深いものになるのです。
季語の起源と歴史的背景
季語の歴史は、俳句の前身である「連歌」や「俳諧連歌」の時代まで遡ります。連歌では、季節感を統一するために季語が用いられ、それが俳諧連歌、そして江戸時代の俳句へと受け継がれていきました。松尾芭蕉や与謝蕪村といった著名な俳人たちが、季語を駆使して名句を生み出したことで、俳句における季語の重要性が確立されていきます。
江戸時代には、俳句の作成や鑑賞を助けるために「歳時記」と呼ばれる季語集が編纂されました。歳時記には、季語の意味や用例、俳句の例がまとめられており、現在でも俳人たちの必携書とされています。
明治時代になると、正岡子規が俳句の近代化を進め、「写生俳句」を提唱しました。彼の影響を受けた高浜虚子は「季語を重視すること」を俳句の基本理念として広め、現在の俳句における季語のルールが確立されました。
季語の分類と季節ごとの特徴
季語は大きく5つの季節に分類されます。
季節 | 代表的な季語 |
---|---|
春 | 桜、菜の花、雛祭り、花冷え |
夏 | 夕立、蝉、花火、風鈴 |
秋 | 月、紅葉、稲刈り、鹿の声 |
冬 | 雪、霜、炬燵(こたつ)、年の暮れ |
新年 | 初日の出、門松、書初め、七草粥 |
これらの季語は、それぞれの季節の風物詩を表し、俳句に彩りを加えます。また、同じ季節の中でも「初春(早春)」「仲春(春本番)」「晩春(春の終わり)」といった細かい分類があり、より繊細な表現が可能です。
季語を使った俳句の具体例
季語を含む俳句の例をいくつか紹介します。
- 春:「菜の花や月は東に日は西に」(与謝蕪村)
→「菜の花」が春の季語。のどかな春の風景を表現している。 - 夏:「古池や蛙飛びこむ水の音」(松尾芭蕉)
→「蛙」が夏の季語。静寂の中の動きを感じさせる一句。 - 秋:「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)
→「柿」が秋の季語。秋の味覚と寺の鐘の音が風情を醸し出す。 - 冬:「雪とけて村いっぱいの子どもかな」(小林一茶)
→「雪解け」が冬の季語。冬の終わりと子どもの歓声を表現。
このように、季語を使うことで俳句の情景がより鮮やかに伝わります。
俳句における季語の選び方
季語を選ぶ際には、以下の点を意識するとよいでしょう。
- 自分の感性に合った季語を選ぶ
- 季語には様々な種類があるため、自分が感じた季節の風景や気持ちに合うものを選ぶとよい。
- オリジナリティを出す
- 「桜」や「雪」など定番の季語は美しいが、あまりにも多く詠まれているため、新鮮な視点で詠むことが大切。
- 季語の持つ意味を深く理解する
- 季語には歴史的な背景や文化的な意味があるため、それを踏まえて使うと深みのある俳句になる。
- 季語辞典や歳時記を活用する
- 多くの季語に触れ、表現の幅を広げるために歳時記を活用するのもおすすめ。
- 実際に季節を感じる
- 季語を使う際には、実際にその季節の風景を観察し、体験することが大切。
このように、季語を意識して俳句を詠むことで、より豊かな表現が可能になります。次は、季節ごとの具体的な季語について詳しく見ていきましょう。
春・夏・秋・冬・新年の季語一覧と特徴
春の季語:桜や花鳥風月の表現
春の季語には、新しい生命の息吹を感じさせる言葉が多く含まれます。桜や菜の花、燕(つばめ)など、明るく華やかなイメージのものが特徴です。また、「春雨」や「花冷え」など、春特有の気象を表す季語もあります。
主な春の季語と意味
季語 | 意味 |
---|---|
桜 | 春の代表的な花。満開の華やかさや散る儚さを表現することが多い。 |
菜の花 | 黄色い花が咲く春の風景を象徴。のどかな春の景色を描く際に使われる。 |
燕(つばめ) | 春に南から渡ってくる鳥。生命の息吹や希望を表す。 |
春雨 | しとしと降る春の雨。柔らかく静かな春の風情を演出。 |
花冷え | 春になっても寒さが残る日を表現。季節の移り変わりを感じさせる。 |
春の季語を使った俳句
- 「春雨や蓬をのばす草の道」(与謝蕪村)
→「春雨」を季語にして、静かで潤いのある春の情景を詠んでいる。 - 「さみだれを集めて早し最上川」(松尾芭蕉)
→「さみだれ(五月雨)」が春の終わりを表す季語。雨が川に流れ込む勢いを描写。
春の季語を用いることで、生命の芽吹きや柔らかな風景を表現できるのが特徴です。
夏の季語:暑さと涼しさを描く言葉
夏の季語には、強い日差しや暑さを象徴する言葉が多くありますが、一方で涼しさを感じさせるものもあります。例えば「風鈴」「金魚」「夕涼み」などは、夏の暑さの中で心地よさを演出する言葉です。
主な夏の季語と意味
季語 | 意味 |
---|---|
夕立 | 夏の突然の雷雨。暑さを和らげる爽快感がある。 |
蝉 | 夏を代表する昆虫。鳴き声が季節感を強調する。 |
風鈴 | 涼しげな音を奏でる夏の風物詩。涼を求める風習を表す。 |
花火 | 夏祭りや夜空を彩る夏の象徴的な景色。 |
かき氷 | 夏の暑さを和らげる冷たい食べ物。涼しさを演出する。 |
夏の季語を使った俳句
- 「閑さや岩にしみ入る蝉の声」(松尾芭蕉)
→「蝉」が夏の季語。静けさの中で響く蝉の声を詠んだ一句。 - 「夕立や草葉をつたふ滝の道」(正岡子規)
→「夕立」が夏の季語。雨が草葉を流れる様子が目に浮かぶ。
夏の季語を使うと、暑さの中の活気や涼を求める風景が生き生きと表現できます。
秋の季語:収穫や紅葉にまつわる表現
秋の季語には、実りの季節を象徴するものや、紅葉、月などの美しい風景を表す言葉が多くあります。また、動物の鳴き声(鹿、雁)なども秋の訪れを感じさせる要素になります。
主な秋の季語と意味
季語 | 意味 |
---|---|
月 | 秋の夜空に輝く満月。風流な秋の夜を演出。 |
紅葉 | 木々の葉が赤や黄色に色づく秋の風物詩。 |
稲刈り | 収穫の時期を迎えた田んぼの風景。 |
柿 | 秋の果物。実りの秋を象徴する。 |
鹿の声 | 秋に鳴く鹿の声。物寂しさや季節の移ろいを感じさせる。 |
秋の季語を使った俳句
- 「柿くへば鐘が鳴るなり法隆寺」(正岡子規)
→「柿」が秋の季語。味覚と歴史的な風景を詠んだ一句。 - 「秋深き隣は何をする人ぞ」(松尾芭蕉)
→「秋深し」が季語。秋の静かな夜の情景を描いている。
秋の季語は、物悲しさや豊かさを表現するのに適しています。
冬の季語:寒さや静寂を感じさせる言葉
冬の季語には、寒さを強調するものや、冬の風物詩を表す言葉が多く含まれます。また、年末の行事なども冬の季語として使われます。
主な冬の季語と意味
季語 | 意味 |
---|---|
雪 | 冬の代表的な風景。静けさや冷たさを表す。 |
霜 | 寒さで地面が凍る現象。冬の厳しさを描写する。 |
炬燵(こたつ) | 冬の室内の風物詩。温かさを表す。 |
年の暮れ | 12月の終わりの時期を表す。 |
牡丹鍋 | 冬の食文化を象徴する言葉。 |
冬の季語を使った俳句
- 「雪とけて村いっぱいの子どもかな」(小林一茶)
→「雪解け」が冬の季語。冬の終わりと子どもの元気な様子を描く。
冬の季語は、寒さや静けさを強調しながらも、温もりのある風景を表現することができます。
新年の季語:年の始まりを彩る表現
新年の季語は、お正月の行事や年始の風物詩に関連するものが多くあります。
主な新年の季語と意味
季語 | 意味 |
---|---|
初日の出 | 元旦の朝に見られる太陽。希望を表す。 |
門松 | 正月の飾り。新年の訪れを祝う。 |
書初め | 新年に書を書く行事。 |
七草粥 | 1月7日に食べる粥。無病息災を願う。 |
新年の季語は、華やかで希望に満ちた雰囲気を俳句に与えます。
次は、俳句初心者向けに季語の使い方を詳しく解説していきます。
俳句初心者向け!季語の効果的な使い方
季語を中心にした俳句の作り方
俳句を作るとき、最初に「どの季節の情景を描きたいか?」を決めると、季語選びがスムーズになります。例えば、春の温かさを表現したいなら「桜」や「菜の花」、冬の静けさを描きたいなら「雪」や「霜」などが候補になります。
次に、五・七・五のリズムに合わせて、季語を中心に言葉を組み立てていきます。
俳句作成の流れ
- 描きたい季節を決める(例:秋の寂しさ)
- 適した季語を選ぶ(例:「鹿の声」)
- 五・七・五のリズムに当てはめる
- 例:「鹿の声 夕暮れ染める 山の影」
このように、まず季語を決めてから俳句を組み立てると、自然に情景が浮かびやすくなります。
一句に複数の季語を入れてもいいの?
基本的に、俳句は一句につき一つの季語を入れるのがルールとされています。これを「季重なり(きがさなり)」といい、複数の季語を入れると焦点がぼやけてしまうことがあります。
例えば、次の俳句を見てみましょう。
- 「桜散る 風鈴の音の 遠ざかる」
→「桜」(春)と「風鈴」(夏)の二つの季語が含まれており、季節感が混ざってしまっている。
この場合、「桜散る」にフォーカスして「風鈴」を別の言葉に置き換えると、より明確な春の俳句になります。
ただし、意図的に「季節の移ろい」を表現するために季重なりを使うこともあります。
- 「桜散る 風の向こうの 田植えかな」
→桜が散る春の終わりと、田植えが始まる初夏の訪れを同時に描いている。
このように、うまく工夫すれば季重なりも効果的に使うことができます。
俳句のリズムと季語のバランス
俳句の基本は五・七・五のリズムですが、単に音を合わせるだけでなく、言葉の響きや間の取り方も重要です。
例えば、次の俳句を比べてみましょう。
- 「春風に 花びら舞いて 道霞む」
→流れるような言葉の並びで、春の情景が自然に浮かぶ。 - 「春風が 桜を揺らし 散りにけり」
→「が」「を」「に」と助詞が多く、やや散漫な印象になる。
俳句は短いため、無駄な言葉を削り、リズムよく言葉を並べることが大切です。季語の周りの言葉選びを工夫すると、より美しい俳句になります。
季語辞典を活用するコツ
初心者が俳句を作る際、季語辞典(歳時記)を活用すると、適切な季語を見つけやすくなります。
季語辞典の使い方
- 季節ごとに分類されているので、使いたい季語を探す
- 例句を読んで、季語の使い方を学ぶ
- 自分の俳句に適した季語を選ぶ
最近では、インターネット上で無料で閲覧できる季語辞典や、スマホアプリもあるため、気軽に調べられます。
季語を使わない俳句はアリ?ナシ?
現代俳句では、季語を使わない「無季俳句(むきはいく)」も認められています。
無季俳句の例
- 「電車行く 向かいの窓に 俺がいる」(金子兜太)
→季語を入れずに、日常の一瞬を切り取っている。
伝統的な俳句では季語が必須ですが、現代俳句では自由な表現も可能です。とはいえ、初心者のうちは季語を使うことで、俳句の世界を深く理解することができます。
次は、有名俳人の俳句から季語の使い方を学んでいきましょう。
有名俳人の俳句に見る季語の使い方
松尾芭蕉の季語表現と風流の世界
松尾芭蕉(1644~1694)は、江戸時代に活躍した俳人で、「俳聖(はいせい)」と称されるほど俳句の世界に多大な影響を与えました。彼の俳句には、四季の移ろいを見事にとらえた作品が数多くあります。
代表的な俳句と季語
- 「古池や 蛙飛びこむ 水の音」
- 季語:「蛙」(夏)
- 静かな池の風景の中に、蛙が飛び込む一瞬の動きを詠んだ句。蛙の鳴き声ではなく「水の音」に焦点を当てることで、夏の静寂が際立つ。
- 「秋深き 隣は何を する人ぞ」
- 季語:「秋深き」(秋)
- 秋の深まりとともに感じる静けさや寂しさを表現。秋は「物思いにふける季節」とも言われるが、それを直接表現せず、隣人の様子を通じて読者に想像させている。
芭蕉の俳句の特徴は、季語を中心にしながらも、それを詠むことで風景や心情がより深く伝わる点にあります。
与謝蕪村の絵画的俳句と季語の融合
与謝蕪村(1716~1783)は、絵画的な感覚を活かした俳句を多く詠みました。彼の俳句は、まるで一枚の風景画を見ているかのような美しさがあります。
代表的な俳句と季語
- 「菜の花や 月は東に 日は西に」
- 季語:「菜の花」(春)
- 春の夕暮れ、東に月が昇り、西に太陽が沈むという風景を、菜の花畑の中から見ている情景を詠んでいる。黄色い菜の花の広がりと、空の対比が美しい。
- 「春の海 ひねもすのたり のたりかな」
- 季語:「春の海」(春)
- 「のたりのたり」という繰り返しが、春の穏やかな波の動きを表現している。視覚だけでなく、波のゆったりとした動きまで感じさせる句。
蕪村の俳句は、季語を単に入れるだけでなく、それを背景にしてまるで一枚の絵のような風景を描いているのが特徴です。
小林一茶の生活感あふれる季語の使い方
小林一茶(1763~1828)は、庶民的な題材を多く扱い、ユーモアのある俳句を詠んだことで知られています。一茶の俳句には、季語を用いながらも、人々や生き物の息遣いが感じられるものが多いです。
代表的な俳句と季語
- 「雀の子 そこのけそこのけ 御馬(おんま)が通る」
- 季語:「雀の子」(春)
- 春に生まれたばかりの雀の子が道端にいる様子を、子どもが話しかけるような口調で詠んでいる。
- 「雪とけて 村いっぱいの 子どもかな」
- 季語:「雪解け」(冬)
- 冬が終わり、雪が解けたことで、村の子どもたちが外に出て遊び始める様子を表現している。静かな冬から一転して、にぎやかさが戻る情景が伝わる。
一茶の俳句は、庶民の生活の中にある季節の変化を、温かみのある言葉で表現するのが特徴です。
正岡子規と近代俳句の季語革命
正岡子規(1867~1902)は、近代俳句の基礎を築いた俳人で、従来の型にはまった俳句から脱却し、「写生俳句」という新しいスタイルを生み出しました。彼の俳句は、よりリアルな風景や感情を伝えるものが多いです。
代表的な俳句と季語
- 「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
- 季語:「柿」(秋)
- 柿を食べているときに、法隆寺の鐘の音が聞こえてくるという、写実的でありながら趣のある句。
- 「糸瓜(へちま)咲て 痰のつまりし 仏かな」
- 季語:「糸瓜(へちま)」(秋)
- 喀血しながら病床で詠んだ句。へちまの花が咲いているのに、自分は病で苦しんでいるという対比が印象的。
子規の俳句は、季語を使いながらも、より直接的な表現で、読者に情景や感情をダイレクトに伝えるのが特徴です。
現代俳句と自由な季語の表現
現代俳句では、伝統的な季語を守りながらも、より自由な表現が試みられています。特に、無季俳句の流れが強まったり、新しい季語が生まれたりと、俳句の世界は進化を続けています。
代表的な現代俳句と季語
- 「万緑の 中や吾子の 生まれたる」(中村草田男)
- 季語:「万緑」(夏)
- 緑があふれる夏の景色の中で、新しい命が誕生する喜びを詠んだ句。
- 「プール冷え 子の手つめたき 夕ごころ」(石田波郷)
- 季語:「プール冷え」(夏)
- プールから上がった子どもの手が冷たくなっている情景を描き、夏の夕方の雰囲気を巧みに表現。
現代俳句では、従来の伝統的な季語だけでなく、新しい感覚の言葉が取り入れられ、より幅広い表現が可能になっています。
まとめ
有名俳人の俳句を通じて、季語の使い方にはさまざまなアプローチがあることがわかります。
- 芭蕉 は風流で余韻のある表現
- 蕪村 は絵画的な風景描写
- 一茶 は庶民的で温かみのある言葉
- 子規 は写生を重視したリアルな描写
- 現代俳句 はより自由な季語の使い方
次は、俳句を楽しむための具体的な方法や学び方について紹介します!
俳句の楽しみ方と季語を学ぶおすすめの方法
季語を意識した俳句の作り方練習法
俳句を楽しむ第一歩は、実際に作ってみることです。初心者でも簡単に俳句を作るための練習法を紹介します。
1. 季節を感じることから始める
まずは、身の回りの季節の変化に注目してみましょう。天気や花、虫の声、食べ物など、日常の中にはたくさんの「季語」が隠れています。
例:
- 春:近所の公園の桜が満開だった →「桜」を季語に使う
- 夏:暑くて冷たい麦茶が美味しかった →「麦茶」を季語に使う
- 秋:夕方になると鈴虫の声が聞こえる →「鈴虫」を季語に使う
- 冬:こたつに入りながらみかんを食べる →「炬燵(こたつ)」を季語に使う
2. 季語を中心に五・七・五を考える
季語を決めたら、それに合う言葉を五・七・五のリズムに当てはめていきます。
例:
- 「桜散る 風に舞いゆく 春の空」
- 「風鈴の 音色やさしき 夕涼み」
- 「虫の音や 静けさ深き 秋の夜」
このように、季語を中心にシンプルな表現でまとめると作りやすくなります。
3. 俳句ノートをつける
毎日、気になった季語や短い俳句を書き留めることで、俳句作りの力が自然とついてきます。スマホのメモ機能を活用するのもおすすめです。
季語を学べるおすすめの俳句辞典・書籍
俳句の魅力を深く知るためには、季語について学ぶことが大切です。以下の歳時記や俳句の本を活用すると、より深い理解が得られます。
書籍名 | 内容 |
---|---|
『角川俳句大歳時記』 | 俳句を学ぶ人にとっての定番の歳時記。豊富な季語と例句を掲載。 |
『新版 俳句歳時記(講談社)』 | 初心者向けにわかりやすく解説されており、季語の理解を深めやすい。 |
『入門!俳句の基本』(NHK出版) | 俳句の基礎から実践的な作り方まで解説。 |
『子規に学ぶ俳句の作り方』(岩波ジュニア新書) | 正岡子規の俳句を通じて、俳句の楽しさを学べる一冊。 |
最近では、電子書籍やスマホアプリでも歳時記を調べることができるので、いつでもどこでも学べる環境が整っています。
季語の美しさを感じる俳句イベント・大会
俳句の楽しさをより深く味わうには、俳句大会やイベントに参加するのもおすすめです。
主な俳句イベント・大会
- NHK全国俳句大会(毎年開催される大規模な俳句大会)
- 俳句甲子園(高校生が競い合う俳句の全国大会)
- 松山俳句ポスト(愛媛県松山市が運営する投稿型俳句イベント)
こうした大会に参加すると、自分の俳句を評価してもらえたり、他の人の俳句に触れる機会が増えます。
SNSやアプリで俳句を楽しむ方法
最近では、SNSやアプリを活用して気軽に俳句を楽しむこともできます。
おすすめの俳句アプリ・SNS
アプリ名 | 特徴 |
---|---|
俳句てふてふ | スマホで簡単に俳句を投稿・共有できるアプリ。 |
NHK俳句投稿サイト | NHKの俳句番組に投稿できるオンラインサービス。 |
X(旧Twitter)の俳句ハッシュタグ | 「#俳句」「#今日の一句」などのタグをつけて投稿すると、多くの人と交流できる。 |
こうしたツールを使えば、仲間と俳句をシェアしながら学ぶことができます。
季語の奥深さを体感する自然観察のすすめ
俳句の上達には、実際に季節の移り変わりを観察することがとても大切です。
自然観察のポイント
- 季節ごとの風景を意識する
- 春の桜並木、夏の青空と入道雲、秋の紅葉、冬の霜や雪景色など、目に映るものを言葉にしてみる。
- 五感を使って季語を感じる
- 風の匂い、鳥の声、草花の手触りなど、視覚以外の感覚も大事にする。
- カメラやスケッチブックを活用する
- 気になる風景を写真に撮ったり、簡単なスケッチをすることで、後で俳句に活かせる。
例えば、秋の夕暮れに散歩をしていて「ひんやりとした空気と金木犀の香り」を感じたら、それを俳句にしてみるといいでしょう。
例句:
- 「夕風や 金木犀の 香を運ぶ」
このように、実際の風景や体験をもとにした俳句は、よりリアリティのある表現になります。
まとめ
俳句の楽しみ方はさまざまですが、初心者の方におすすめの方法をまとめると以下のようになります。
✅ 日常の季節の変化を観察し、気になる言葉をメモする
✅ 季語辞典や歳時記を活用して、季語の意味を学ぶ
✅ 俳句を実際に作って、SNSやアプリでシェアしてみる
✅ 俳句大会やイベントに参加して、より深く俳句を楽しむ
✅ 自然観察を通じて、五感を使って季語を体感する
俳句は「言葉で季節を切り取る芸術」です。初心者でも気軽に楽しめるので、ぜひ今日から一句詠んでみてください! 😊
まとめ
俳句において「季語」は、季節の情景や雰囲気を伝える重要な要素です。本記事では、季語の基本から、使い方、有名俳人の俳句、そして楽しみ方までを詳しく解説しました。
記事のポイントまとめ
1️⃣ 季語とは?俳句における役割と基本知識
- 季語は俳句において季節感を表す言葉
- 歴史的に連歌から俳句へと受け継がれてきた
- 春・夏・秋・冬・新年の5つの季節に分類される
2️⃣ 春・夏・秋・冬・新年の季語一覧と特徴
- 春:「桜」「菜の花」など、生命の息吹を感じる季語
- 夏:「夕立」「風鈴」など、暑さや涼しさを描く季語
- 秋:「月」「紅葉」など、収穫や物寂しさを表す季語
- 冬:「雪」「炬燵」など、寒さや静寂を表現する季語
- 新年:「初日の出」「門松」など、年の始まりを祝う季語
3️⃣ 俳句初心者向け!季語の効果的な使い方
- 季語を中心に俳句を作るとスムーズ
- 一句に季語は1つが基本だが、例外もある
- 五・七・五のリズムと季語のバランスを考える
4️⃣ 有名俳人の俳句に見る季語の使い方
- 松尾芭蕉:風流で余韻のある表現
- 与謝蕪村:絵画的な風景描写
- 小林一茶:庶民的で温かみのある言葉
- 正岡子規:写生を重視したリアルな描写
- 現代俳句:より自由な季語の使い方
5️⃣ 俳句の楽しみ方と季語を学ぶ方法
- 俳句ノートをつけて、日常の季節の変化を記録
- 歳時記や俳句辞典を活用して季語を学ぶ
- 俳句大会やSNSを活用して楽しむ
- 自然観察を通じて、季語の持つ意味を体感
俳句は誰でも楽しめる!
俳句は、短い言葉の中に季節の美しさや自分の気持ちを込めることができる、日本独自の文学です。最初は難しく感じるかもしれませんが、日常のちょっとしたことを五・七・五のリズムに乗せるだけでも、立派な俳句になります。
ぜひ、今日から一句作ってみませんか?😊