8月の時候の挨拶｜季節感あふれるおたより文例と書き方のポイント

8月は一年の中でも最も暑さが厳しい季節。ビジネスメールやおたより、手紙を書く際に「どんな時候の挨拶を使えばいいの？」と悩むことはありませんか？

本記事では、8月にふさわしい時候の挨拶の基本から、使うシーン別の例文まで詳しくご紹介します。ビジネスにもプライベートにも役立つ表現を多数掲載しているので、ぜひ参考にしてください！

8月の時候の挨拶とは？基本の考え方
8月の時候の挨拶【上旬・中旬・下旬】使い分けガイド
8月のおたよりに使える美しい時候の挨拶文例集
8月の時候の挨拶を魅力的にする書き方のコツ
8月の時候の挨拶を活用するシーン別の実例
まとめ

8月の時候の挨拶とは？基本の考え方

時候の挨拶とは？8月に適した表現

時候の挨拶とは、手紙やおたよりの冒頭で使う季節感を表した言葉のことです。8月は真夏の暑さが続く時期ですが、お盆を過ぎると少しずつ秋の気配も感じられるようになります。そのため、前半と後半で使う表現を意識すると、より自然で心に響く文章になります。

例えば、8月上旬なら「炎暑（えんしょ）」「猛暑（もうしょ）」といった強い暑さを表す言葉が適しています。中旬になると「残暑（ざんしょ）」の語を使い始め、下旬には「秋暑（しゅうしょ）」や「晩夏（ばんか）」など、夏の終わりを感じさせる表現がぴったりです。

8月の気候や行事を反映した言葉選び

8月のおたよりでは、単に気温の高さを表すだけでなく、季節の行事や自然の移り変わりを反映した表現を使うと、より趣のある文章になります。

以下のような言葉が8月の挨拶にふさわしいでしょう。

時期	気候の表現	行事の表現
上旬	炎暑、猛暑、酷暑	七夕祭り、夏休み、花火大会
中旬	残暑、厳暑、盛夏	お盆、精霊流し、甲子園
下旬	秋暑、晩夏、処暑	ひまわり畑、夏の終わり、夕涼み

フォーマルとカジュアルの違い

時候の挨拶は、送る相手に合わせてフォーマルなものとカジュアルなものを使い分けることが重要です。

フォーマルな表現（ビジネス向け）

炎暑の候、貴社ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。
残暑厳しき折、皆様にはますますご健勝のことと存じます。

カジュアルな表現（親しい人向け）

暑さが続きますが、お元気にお過ごしですか？
お盆も過ぎ、少しずつ秋の気配を感じる今日この頃ですね。

ビジネスで使える基本フレーズ

ビジネスシーンでは、適切な時候の挨拶を使うことで、相手に丁寧な印象を与えることができます。

「立秋とは名ばかりの厳しい暑さが続いておりますが、貴社におかれましてはますますご発展のこととお慶び申し上げます。」
「残暑厳しい折、貴社の皆様にはくれぐれもご自愛くださいますようお願い申し上げます。」

親しい人向けの柔らかい表現

友人や家族には、少しくだけた表現を使うと親しみやすさが増します。

「夏の暑さもピークを迎えていますが、体調はいかがですか？」
「お盆休みはゆっくり過ごせましたか？まだまだ暑いので、どうかご自愛くださいね。」

時候の挨拶を適切に使うことで、おたよりがより心のこもったものになります。次は、8月の時候の挨拶を「上旬・中旬・下旬」に分けて解説していきます。

8月の時候の挨拶【上旬・中旬・下旬】使い分けガイド

8月上旬に適した時候の挨拶

8月上旬は、夏の暑さが最も厳しい時期です。暑中見舞いの挨拶を使うのが一般的で、「猛暑」「酷暑」など、強い暑さを表現する言葉がよく使われます。

例文（フォーマル）

「猛暑の候、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。」
「酷暑の折、皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。」

例文（カジュアル）

「暑い日が続いていますね。体調崩していませんか？」
「夏本番ですね！冷たい飲み物をたくさんとって、水分補給を忘れずに。」

8月中旬の特徴とおすすめ表現

8月中旬はお盆の時期で、帰省や家族の集まりが多くなる時期です。「残暑」という言葉が使われ始め、相手を気遣う表現が増えてきます。

例文（フォーマル）

「残暑の候、貴社の皆様にはますますご健勝のこととお喜び申し上げます。」
「お盆を迎え、ご先祖様を偲ぶ季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」

例文（カジュアル）

「お盆休みはのんびり過ごせていますか？」
「夏休みも折り返しですね！まだまだ暑いので、お身体を大切に。」

8月下旬に使いたい時候の挨拶

8月下旬になると、朝夕の涼しさを感じる日も増え、「晩夏」「初秋」などの表現が使われます。

例文（フォーマル）

「晩夏の候、いよいよ秋の気配が感じられる頃となりました。」
「処暑を迎え、朝晩は少ししのぎやすくなってまいりましたが、いかがお過ごしでしょうか。」

例文（カジュアル）

「夏も終わりに近づいてきましたね。体調には気をつけて！」
「夜風が少し涼しくなってきましたね。秋が待ち遠しいです。」

残暑見舞いの挨拶との違い

「残暑見舞い」は、立秋（8月7日ごろ）を過ぎてから使う表現です。暑中見舞いとは異なり、「暑さは続いているが、秋の訪れを感じる」というニュアンスを含みます。

暑中見舞い（8月7日まで）：「暑中お見舞い申し上げます。」
残暑見舞い（8月8日以降）：「残暑お見舞い申し上げます。」

このように、8月の時候の挨拶は、時期によって使う言葉が変わります。次は、実際に使える時候の挨拶の文例を紹介していきます。

8月のおたよりに使える美しい時候の挨拶文例集

フォーマルな手紙に最適な表現

ビジネスや目上の方に送る手紙では、格式のある表現を使うことが重要です。8月のフォーマルな時候の挨拶は、季節感を大切にしつつ、相手の健康や発展を願う文言を取り入れると好印象を与えます。

例文（手紙の冒頭）

「盛夏の候、貴社ますますご隆盛のこととお慶び申し上げます。」
「晩夏の候、皆様におかれましては、なお一層ご健勝のことと存じます。」

例文（結びの言葉）

「厳しい暑さが続きますが、くれぐれもご自愛くださいませ。」
「季節の変わり目、どうぞご無理なさらぬようお過ごしください。」

フォーマルな時候の挨拶では、「候（こう）」を使うのが一般的です。「晩夏の候」「残暑厳しき折」などの表現を取り入れると、より格式のある印象になります。

ビジネス文書で好印象を与える例文

社内メールや取引先とのやり取りでは、簡潔かつ丁寧な表現が求められます。特に「暑さを気遣うひと言」を添えると、心のこもった文章になります。

例文（取引先向け）

「暑さ厳しき折、貴社の皆様には益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。」
「暦の上では秋を迎えましたが、なお暑さが続いております。皆様のご健康を心よりお祈り申し上げます。」

例文（社内メール向け）

「まだまだ暑い日が続きますが、皆様お身体に気をつけてお過ごしください。」
「夏季休暇明けも、引き続きよろしくお願いいたします。」

社内では、少しカジュアルな表現も許容されますが、取引先向けには「暑さが厳しい折」「ご健勝をお祈り申し上げます」などの丁寧な言葉を使うのがマナーです。

先生や保護者向けのおたより文例

学校のおたよりや保護者への連絡文でも、時候の挨拶を取り入れると、より親しみやすく温かみのある文章になります。

例文（学校から保護者向け）

「猛暑が続いておりますが、皆様お元気でお過ごしでしょうか。」
「夏休みも終盤に差し掛かりましたが、お子さまの体調はいかがでしょうか。」

例文（先生から生徒向け）

「夏休み、元気に過ごしていますか？暑い日が続くので、水分補給を忘れずに！」
「8月も後半になりました。そろそろ新学期の準備を始めましょう。」

学校のおたよりでは、難しい言葉よりも分かりやすく、親しみやすい表現を使うのがポイントです。

友人や家族へのカジュアルな挨拶

親しい人に送る手紙やLINE、メッセージカードでは、形式にこだわりすぎず、相手の近況を気遣うような表現を取り入れるとよいでしょう。

例文（親しい友人向け）

「暑さが厳しいけれど、元気にしてる？夏バテには気をつけてね！」
「お盆休み、ゆっくり過ごせたかな？また近いうちに会おうね。」

例文（家族向け）

「実家の夏祭り、今年も行けなくて残念。でも、またみんなで集まれる日を楽しみにしてるよ。」
「お母さん、暑いけれど体調は大丈夫？無理せずのんびり過ごしてね。」

家族や友人への挨拶は、親しみやすさを重視し、「元気？」「また会おうね」など、会話に近い文体で書くと気持ちが伝わりやすくなります。

暑中見舞いや残暑見舞いとの違い

8月のおたよりでは、「暑中見舞い」や「残暑見舞い」の挨拶を使うことも多いですが、それぞれ適切な時期があります。

種類	送る時期	例文
暑中見舞い	7月上旬～8月7日（立秋前）	「暑中お見舞い申し上げます。」
残暑見舞い	8月8日（立秋後）～8月末	「残暑お見舞い申し上げます。」

また、暑中見舞いでは「夏を楽しんでいますか？」といった表現が合いますが、残暑見舞いでは「暑さが和らぎ始めましたが、体調にはお気をつけください。」など、秋の訪れを感じさせる言葉を使うのが一般的です。

時候の挨拶は、相手や時期に合わせた言葉選びが大切です。次は、さらに魅力的な時候の挨拶を書くためのコツを解説していきます。

8月の時候の挨拶を魅力的にする書き方のコツ

季節感を盛り込む表現テクニック

8月の時候の挨拶をより印象的にするには、季節の風景や行事を取り入れると効果的です。ただ「暑いですね」と伝えるだけではなく、「蝉の声が響き渡る季節」「夕暮れに響く風鈴の音」といった描写を加えると、文章に奥行きが生まれます。

季節を感じさせる言葉の例

自然の風景：「夏空が広がる」「ひまわりが咲き誇る」「入道雲が立ち上る」
気候の表現：「厳しい暑さが続く」「残暑が和らぐ」「秋の気配が感じられる」
行事の表現：「お盆を迎える」「夏祭りの賑わい」「花火が夜空を彩る」

例文

「入道雲が空に広がり、夏本番を迎えました。お変わりなくお過ごしでしょうか。」
「夕暮れに響く風鈴の音が心地よく、秋の訪れを少しずつ感じる今日この頃です。」

相手が風景を思い浮かべられるような表現を意識すると、より印象深い挨拶になります。

相手との関係性を考えた書き分け

時候の挨拶は、送る相手によって文体や言葉遣いを変えることが大切です。ビジネス相手と親しい友人では、適切な表現が異なります。

相手	形式	例文
取引先	フォーマル	「残暑厳しき折、貴社におかれましてはますますご繁栄のこととお慶び申し上げます。」
先生・保護者	丁寧	「暑い日が続きますが、お子さまは元気にお過ごしでしょうか。」
友人	カジュアル	「まだまだ暑いね！夏バテしてない？」

相手に合わせて適切な言葉を選ぶことで、より自然で心のこもったメッセージになります。

ひらがな・漢字のバランスに注意

時候の挨拶では、ひらがなと漢字のバランスも重要です。特に「ご自愛ください」「お変わりなく」など、難読になりがちな言葉はひらがなを適宜使うと、読みやすい文章になります。

例文（読みやすい表記）

「猛暑がつづいておりますが、おかわりなくお過ごしでしょうか。」
「まだまだ暑い日が続きますので、ごじあいくださいませ。」

特にカジュアルなメッセージでは、漢字を多用しすぎると堅苦しい印象になるため、適度にひらがなを入れるとよいでしょう。

気温や体調を気遣うひと言を添える

8月は暑さが厳しく、体調を崩しやすい季節です。時候の挨拶の最後に、相手の健康を気遣う言葉を加えると、より温かみのある文章になります。

気遣いの言葉の例

「厳しい暑さが続きますが、くれぐれもお体を大切に。」
「お盆を過ぎても暑さが続きますので、どうぞご自愛くださいませ。」
「残暑に負けず、元気にお過ごしくださいね。」

例文（フォーマル）

「猛暑の折、くれぐれもご健康にはお気をつけください。」
「季節の変わり目ですので、ご自愛専一にてお過ごしくださいませ。」

例文（カジュアル）

「夏バテしないよう、しっかり水分補給してね！」
「暑さに負けず、元気に過ごしてね。」

ひと言添えるだけで、相手に対する思いやりが伝わります。

結びの言葉で印象を良くするポイント

時候の挨拶の締めくくりには、適切な結びの言葉を選ぶことで、より洗練された文章になります。

シチュエーション	結びの言葉
フォーマルな手紙	「末筆ながら、皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。」
ビジネスメール	「今後ともよろしくお願い申し上げます。」
先生・保護者向け	「どうぞ、素敵な夏をお過ごしください。」
友人・家族向け	「また会えるのを楽しみにしてるね！」

例文